ゲーム紹介:エベレスト / Mount Everest
か弱い登山客を頂上へ導いて戻る
エベレスト
/ Mount Everest
メーカー: REBEL.pl (レーベル, ポーランド), 発行年: 2013年
作者: Adam Kałuża (アダム・コルーザ, 代表作:『K2』)
10才~大人, 2~5人用, 所要90分, ルール難度:★★☆ (2.5)
『エベレスト』は、世界最高峰の山に挑戦する登山客を案内するガイドとなって、近日の天候を鑑みつつ、登山客の体調を気遣いながらキャンプを中継地点にしたピストン輸送によって押し上げ、より多くの頂上案内と下山で得点を競うゲームです。
ヒマラヤ山脈にある世界最高峰の山「エベレスト」が舞台です。
自分の色の登山ガイドコマ2つをうまく操って、ゲーム終了までにより多くの登山客を頂上に導いたり、麓(ふもと)まで降ろしたりしてその評価得点を競います。
ゲームボード上、エベレストの斜面を表したマス目を麓(ふもと)から進んでいくことで、コマを上へ上へと登らせることができます。
各自の2人の登山ガイドは、それぞれ〈登山客〉〈酸素ボンベ〉〈キャンプ〉などを、手元のボード上の許容量いっぱいまで持つことができ、手札のカードを使うことで、マス目のコスト(進みにくさ)を消費して移動したり、中継地点にキャンプを張ったりすることができます。
全員が手札を使った行動をし終えるたびに(=1日が終わるたびに)、過酷な雪山の夜がやってきて、コマがいるマス目に記された分だけ、連れている登山客ごとの順応度(体力のようなもの)が減らされてしまいます。この順応度が0になった登山客は死んで取り除かれ、大きな失点となってしまいます。
道中先々のマスに記された順応度への影響を見て、登るルートの選択や、我慢してでも登るところ、キャンプを張って一時的に凌がせるところの計画を立てましょう。登山客たちをキャンプに留めて自分だけ移動する、というような判断も必要かもしれません。
一方、日々の天候が順応度の減りやマス目の登りにくさに大きく影響します。悪天候になればなるほど、それらの基本設定値に大きく補正が掛かるのです。ただし、3~5日分までは先の天候が予見できるため、「2日後は雪だが、このマスまで登ってキャンプを張っておけば耐えられるな…」といった計画が立てられるようになっています。
ところが、その綿密な計画にズレが生じます。頂上の方に近づけば近づくほど、1つのマスに居られるコマが1個だけになっていくため、もし、手番順の都合で誰かが先に居座ってしまうと、そのマス目に到達できなくなって計画が大幅に狂わされたりするのです。
補充するカードに賭けてリスクを冒すのか、一時的に退いて遅れを取るのか、苦しい選択に頭を悩ませることでしょう。
こうしてゲームを続けていき、登山客を頂上まで連れていく、またはさらに麓まで下山させると、その分だけ得点が入ります。18日目を終えたらゲーム終了。最高得点の人が勝ちです。
ゲームボードには、上級者向けの山の「裏面」があり、さらに天候の変化も「夏セット」と「冬セット」があるため、組み合わせによって4段階の難易度調整ができるようになっています。
ここがオススメ: 補充されるカードの内容を吟味して、常に登山客を死なせてしまうリスクを感じながら、効率の良いピストン輸送と、頂上付近の椅子取りゲームを人よりも先に制する計画立てが悩ましいゲームです。じっくり緻密に遊ぶ大人向けとしておすすめのゲームです。
店内でサンプルをご覧いただけます。
前身『K2』との主な違い: 前身のゲーム『K2』との主な違いは次のようなものです。
- 登山客をより多く運んで得点を競うゲームです。
- 順応度はガイドではなく、運ぶべき登山客たちに適用されます。
- 順応度を回復させるカードが最初は手札に入っておらず、山腹まで酸素ボンベを運んで使うことで、1枚ずつ山札の循環に組み込まれていきます。
- キャンプを中継地点としたピストン輸送が重要になっており、そのため、降りるための移動カードの重要性が増しています。
- 『K2』をベースにして、このエベレストを登ることができるようになっています。