ゲーム紹介:すきもの
相場を鑑み茶器の買付地方を選ぶ
すきもの
メーカー: グランディング (日本), 発行年: 2012年
作者: 菅沼 正夫 (すがぬま まさお, 代表作: 街コロ)
7才~大人, 2~6人用, 所要30分, ルール難度:★☆ (1.5)
『すきもの』は、43種類もあるさまざまな和茶器のうち、毎回提示される売却候補5種とその額を鑑みて、記憶などの目利きの勘を活かして「東海道」「北陸道」などの地方別山札を選び、その中からすばやく探しながら、たくさん、より安く入手して儲けを狙うゲームです。
毎回、まずは所望品5種がランダムに発表されます。全43種類の茶器には、希少度に応じて松・竹・梅の格付けがあり、それぞれ売却時の額が異なります。
それらの売却候補と額をよく見て、それらの品々が「東海道」「北陸道」などの地方別山札のどこにあるのか、目利きの勘を働かせて選びます。回数をこなすたびに、前回見た山札の記憶が頼りになって確度も上がっていくでしょう。
全員が山札を選んだら、一斉に品探しを始めます。山札の品々を素早く確かめ、売却候補を探して〈買い付け〉対象として選び出すのです。
同じ品でもいくつかが存在します。まとめてたくさん売ればその分儲かりますが、同じ品でも購入額が異なるため、儲かるような額面のものだけを選び出したいものです。
もちろん所持金を越えるような買い物はできませんから、何をどのくらい買い付けるかの取捨選択も大事です。
また、品探しと買い付けは、すばやく見切りをつけて終える必要があります。すばやく終えれば終えるほど、売却時の優先順位を勝ち取ることができるからです。
全員の買い付けが終わると、各自が集めた茶器を売却することができますが、売却は買い付けを終えた優先順で1人ずつ行なわれて、何かが売却されるたびに、その茶器の売却額が下がってしまいます。他人と同じものを後から売却すると、儲からないかもしれないのです。
こうして、全員が売却を終えたら1ラウンド終了。売れ残り品は相場額が上がりつつ、また所望品5種が並んで…と繰り返していき、1人でも50両に達したらゲーム終了。一番所持金が多い人が勝ちです。
ここがオススメ:
『赤楽茶碗「早船」』『南鐐茶杓』『唐銅細首花入』など、実在の銘茶器が豪華なカードイラストで表現された、茶道具商人の雰囲気たっぷりのゲームです。
カード探しのスピーディな展開と地方別山札の記憶が大切なゲームではありますが、誰が何を狙っているかを察知した買い付け終了タイミングの見極めや、値上がりを期待した温存など、遊ぶたびにもっとうまくやれそうな要素が入っているところも見逃せません。手軽な大人向けとしておすすめのゲームです。
第二版(2014年秋版) 2014年秋発行の第二版では、箱のサイズが若干変わり(同社の『街コロ』と同サイズ)、漢数字表記がアラビア数字になり、説明書が刷新されています。
店内でサンプルをご覧いただけます。