ゲーム紹介:レッドノベンバーを救え! / Red November

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協力し沈みゆく潜水艦を修理する
レッドノベンバーを救え!(日本語版) / Red November
メーカー: Fantasy Flight(ファンタジーフライト, USA), 発売年: 2009年(原版は2008年)
作者: Bruno Faidutti(ブルーノ・フェイドゥッティ) & Jef Gontier(ジェフ・ゴンティア)
12才~大人, 2~8人用, 所要60分, ルール難度:★★☆

レッドノベンバーを救え!:箱

『レッドノベンバーを救え!』は、オンボロで沈みゆく潜水艦内を全員が修理に奔走しながら、60分を経過して無事生還できるかに挑戦する、協力型のゲームです。

レッドノベンバーを救え!:展示用写真
レッドノベンバーを救え!:艦内近影

原子力潜水艦「レッドノベンバー号」が重大な危機に瀕しています。すべての機器やハッチがどんどん故障しはじめ、あちこちで火災や浸水が起こって、艦内は大パニックに陥っています。
プレイヤーは乗組員となって、あちこちを修理しながら、何とか60分間を持たせなければなりません。

1人ずつ順番に行動し、各部屋を仕切るハッチの開閉や移動、修理や処置、アイテムの確保と使用などを行なっていきます。


レッドノベンバーを救え!:時間の経過とリスク

すべての行動は、1分刻みで時間経過コマを動かして時間を消費していきます。しかし、時間を消費するに伴って引かれるイベントカードによって、新な災いも発生してしまいます。
プレイヤーの数(人手)が多ければそれだけ処置も多く行なえますが、人数分だけ災いも発生しやすくなってしまうのです。これがこのゲームの最大の特徴です。


また、修理などの“チャレンジ”を必要とするものには、1~10の数字サイコロを使います。
「(出る数字は)これ以下のはず」という値を自分で決めて、その分だけ時間を進めてからサイコロを実際に振って成功/失敗を確かめるのです。つまり、たくさん時間を進めれば、より安全に成功はするでしょうが、ものすごく時間を消費して大量の災いを生んでしまうのです。しかし、ケチっていては失敗するかもしれません。

レッドノベンバーを救え!:アイテム

こうした修理や行動を助けるためのアイテムが豊富に揃っています。また、浸水を上手に利用することで火災を抑えることもできます。時には、ウォッカを飲んで爆発的な力を発揮することも重要です。しかし、あまり頼りすぎると、泥酔してとんでもないことになるかもしれません。


こうしてゲームを続けていき、60分が経過する間、致命的な状況を抑えられれば、全員の勝利となります。
乗組員同士で攻撃したり、さらに難しくする応用ルールも用意されています。

ここがオススメ: これでもかと起こるたくさんの災いにもてあそばれながら、現状でのベストを尽くそうと全員で知恵を絞るのが楽しい、お勧めのゲームです。
同じ協力型ゲームの『パンデミック』と比べると、サイコロの結果や様々なイベント効果によって起こる「誰かのせい」を尻拭いするために全員が奔走する、ドタバタ感が楽しめるのが特徴です。
店内でサンプルをご覧いただけます。

日本語版説明書に不備 日本語版の説明書に不備があります。 12ページの「災害表」と「破滅」の項目に、それぞれ本来必要のはずの表が掲載されていません。
このため、正しい表を別紙にてお付けしています。

【2013.9.19】メーカー絶版・再版予定無し、とのことで取り扱いリストから外します。

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投稿者:すごろくや

コメント 1

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おもしろいです。おもしろいのですが…

まず、ルールブックの出来があまりよろしくありません。情報が全く整理されておらず、ダラダラと長文で(しかも、ゲームの舞台設定をルールブックへ持ち込んでいるため、無駄に文学的な表現を交えながら)説明されるのでかなり難解になっています。それでいて、説明不足な箇所が数多く見られるのもいけません。フェイズの扱いが曖昧なのも気になります。初プレイ前には予習しておかないと、場の盛り下がりは必至です。

ボードやコマが小さすぎるのは大きなマイナスです。カードが切りづらい、文字が小さすぎるなど様々な問題があります。中でも、わずかにボードが動いただけで経過時間がわからなくなってしまうのは致命的でしょう。持ち運びが楽なのは嬉しいのですが…。

このように、ゲームの本質とは無関係な部分の完成度が低いために印象が悪いというのは非常に残念なことです。

ゲームルールの部分で言えば、「同志を見捨てる」ルールは完全に蛇足で、禁止として遊んだ方がよいでしょう。アクアラングを持っているならば最後の10分のイベントラッシュなど捨ててさっさと脱出した方が有利なのは自明で、全くおもしろくありません。

協力ゲームなのに死亡イベントが発生しやすいのもよくないですね。特に多人数でのゲームでは序盤で不可避な突然死が発生する可能性も高まり、死亡後はただ見守ることしかできなくなります。仲間外れを生むようなゲームは、あまりオススメできません。特に、あえて協力プレイ型のゲームを選ぶようなプレイヤーには受け入れられにくいでしょう。

パンデミックよりもドタバタ感がありそう、という印象があったので同時購入しましたが、いざやってみると、確かにパンデミックはドタバタ感がないものの黙々としたプレイにはならず、素晴らしいゲームバランスのおかげで異常なほど盛り上がりました。対してレッドノベンバーは、ダイスロールの運が悪くなると微妙な空気になってしまったり、予想外に「イマイチ」な印象を受けました。
もしもパンデミックとレッドノベンバーで悩んでいるならば、多少値は張りますがパンデミックを強くオススメします。

2010/04/15 (Thu) 18:41 | EDIT | REPLY |   

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