人狼ゲームとは? 人狼系ゲームについてのまとめ

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すごろくや

こんにちは。
最近のテレビ番組の影響だったり、各地でイベントが行なわれていることで、お店にも漠然と「人狼(じんろう)ってありますか」というお客さんが増えてきましたので、ここにまとめます。

人狼ゲームは、「善良な村人たちと村人を装う狼男たちとの会話での殺戮劇」ゲームの総称であり、「村人たち+人狼たち+3〜4種の代表的な役職」という基本的なスタイルはあっても、「これが人狼ゲームだ!」というものはなく、出自が伝統系ゲームということもあって、人狼系ゲームにはたくさんの派生型があります。
なお「人狼(じんろう)」とは、恐怖感をより強めた「狼男」の別の呼び方です。

「人狼」ゲームは、今でこそたくさんのバリエーションが出ていますが、大元は、伝統的な紙ペンゲームを元にして、1980年代にロシアのディミトリー・ダビドフさんが発明されたとされる「マフィア / Mafia」と呼ばれるゲームです(出典:Wikipedia「Mafia」(英語))。「夜な夜なマフィア役として本性を現わした市民の2人が、他の市民を1人ずつ消していく」というものです。
欧米の方だと、日本で「人狼系」で通じるゲームを表すときには、「Werewolf (狼男)」よりは今だに「Mafia」の方が通じることが多いようです。
なお、「マフィア」の基本的な遊び方は、すごろくやの書籍『大人が楽しい 紙ペンゲーム30選 (スモール出版)』にも収録しています。

その後、普及とともに、役割(役職)や細かなルールなど、たくさんのバリエーションが発生しました。現在の「人狼系」ゲームに入っている基本的な要素は、ほぼこの頃に完成していたようです。
その中で、1990年後半、アメリカのアンドリュー・プロトキン氏によって、「村人たちに潜む狼男」という、極めてゲーム内容に合致するファンタジー色のテーマを適用したものが決定打となりました。

それが商品化されたものが『汝は人狼なりや? / Are You a Werewolf? (2001年発行)』です。このゲームの邦題に「人狼」と付いたことが、今日このタイプのゲームが「人狼」と呼ばれる所以です。
また、2004年頃から、このゲームがオンラインで遊べるようにインターネットでの掲示板システムを応用した「人狼BBS」が人気となりました。人狼同士のも含めて会話や行動の履歴が残ることもあって、専門用語が飛び交ってセオリーを重視するマニアックな遊ばれ方で楽しまれています。 ⇒現行の人狼BBSサイト:「人狼BBS:G」

その後、「汝は人狼なりや?」を元に、たくさんの人狼系ゲームが登場しています。


「人狼系」ゲームの主なバリエーション

現在ある人狼系ゲームの中では、『タブラの狼』と『ミラーズホロウ』の2タイトルがメインと言えるでしょう。

もっとも基本形に近いルールと役職が揃った『タブラの狼』。拡張セットもあります。また、遊ぶ際には、すごろくやオリジナルの司会進行役便利ツール『タブラの友。』がおすすめです。
すごろくや主催で2009年から定期的に開催していたイベント「大人の狼ゲーム会」も、この『タブラの狼』を基本としていました。

嘘付く狼男&村人,会話での殺戮劇

タブラの狼 / Lupus in Tabula

8才以上,8〜25人用, 所要30分, 解読難度:★☆, ¥3,000 確認


変わった役職が揃っていて、脱落者の正体が公開されるために少し気軽さがある『ミラーズホロウの狼男』。こちらも拡張セットや特別版があります。

嘘付く狼男&村人,会話での殺戮劇

ミラーズホロウの狼男 / The Werewolves of Miller's Hollow

10才以上,9〜19人用, 所要30分, 解読難度:★☆, ¥1,470 確認



全員の中の数人をメンバー選出することで、司会進行役が要らず、脱落者も出ない仕組みを実現した『レジスタンス』。『アヴァロン』という姉妹品があります。

スパイを見極め作戦担当者を選ぶ

レジスタンス / The Resistance

13才以上,5〜10人用, 所要30分, 解読難度:★☆, ¥1,890 確認


『タブラの狼』や『ミラーズホロウ』のエッセンスをほぼ取り込み、さらに、これでもかというくらいにたくさんの役職を同梱している『究極の人狼』、

役割43種、狼男vs村人の決定版

究極の人狼 / Ted Alspach's Ultimate Werewolf

13才以上,6〜75人用, 所要30分, 解読難度:★★, ¥3,360 確認


それとは真逆に、司会進行役も不要で、脱落者も出さずに、わずか5分で決着が付くように究極にシンプルにまとめあげつつも、人狼系ゲームが持つ疑心暗鬼の楽しいエッセンスが凝縮された『ワンナイト人狼』、

ウソ付き狼男&村人を相談で特定

ワンナイト人狼 / one night werewolf

10才以上,3〜7人用, 所要10分, 解読難度:★☆, ¥1,500 確認

といったものがあります。
その他にも、個人製作に属する人狼系ゲームの中にも、「死亡した幽霊が生存者にジェスチャーだけで昼の相談に加わる」「こっくりさんをゲームシステムに導入」など、面白いアイデアが詰まったものがたくさんあります。


「マフィア」を由来とする大元の人狼ゲームには、ドイツ発祥の近代のボードゲームのように「誰が作った」という明確な作者名義の主張はありませんが、どなたかが手間暇を掛けて苦労して「発明」されたことは間違いありません。
そのことを踏まえた上で、さらに考え抜かれた価値ある「新しい発明」が加えられることによって発展しつづけているのが面白いところです。また、そうした作品を見極めることで、苦労して新しいアイデアを作られた方にも還元されていくことでしょう。

人狼系ゲームを選ばれる際には、それぞれのバリエーションについて、新しいところはどこか、特徴的な魅力はどの辺りか、を判断されると良いでしょう。
人狼系ゲームは面白いものですが、自ら主張したり、ハッタリをかけたり、他人を疑ったり、といったことが自発的にメンバー全員できないと楽しめないゲームでもありますので、人によって好き嫌いはもちろんあります。まずは、どういった方々で遊ぶ予定があり、どのような状況で遊ぶことを想定しているか、などから考えられてみてはいかがでしょうか。

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投稿者:すごろくや

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