ゲーム紹介: 011 (ゼロワンワン)
英雄/楽器/譜面を探し滅亡を防ぐ
011(ゼロワンワン)
メーカー: Scribabs (スクリバブス, イタリア), 発行年: 2011年
作者: Marco Valtriani (マルコ・ヴァルトリアニ)
演出・アートワーク: Paolo Vallerga (パオロ・バレルガ)
12才~大人, 3~6人用, 所要90〜120分, ルール難度:★★☆ (2.5)
『011 (ゼロワンワン)』は、架空の19世紀:神秘都市を舞台に、ラグナロク到来による世界の終焉を防ぐため、都市中を奔走して手掛かりを探しては、選ばれし者を特定し、どこかに眠る謎めく不滅のオルガンを見つけ、“創世曲”の譜面を完成させて奏でようとするヒーローたちと、その成功を阻止せんとする邪神フェンリルに取り憑かれた者との戦いを描いたゲームです。
【物語】
神秘技術や蒸気機関が発達した架空の19世紀:神秘都市トリノ。古の予言書に、「災いの神ロキの息子“フェンリル”の目覚めによって、ラグナロク(神々の戦いによる終焉の日)が引き起こされる」と記された“011”と呼ばれる年の物語です。
ラグナロクの到来を止めるには、神聖な〈創世曲〉を作曲し、都市のどこかに眠る〈謎めく不滅のオルガン〉を探し出し、唯一の〈選ばれし者〉を特定して奏でなければなりません。 探偵や闇の婦人、作曲家、ドクターなど、特殊な能力を持つ個性的な8人が、楽譜と楽器、誰が選ばし者なのかを求め、都市中で手掛りをもとに探索を始めます。
しかし、狼の姿をしたフェンリルもまた、この8人の誰かの肉体に取り憑いて目覚め、選ばれし者を葬る機会をうかがっているのです…。
11ラウンドに渡って、8人のヒーローたちのうち、空いているキャラクターを任意に選んでは動かし、手掛かりを探したり、その特殊な能力を使ったりして、〈創世曲〉の全15ページの譜面を完成させ、〈謎めく不滅のオルガン〉の場所を絞り込み、8人の中で〈選ばれし者〉を特定して演奏させるという条件を先に満たすことを目指しましょう。
0になると脱落させられる〈タイムポイント〉を消費しながら、
手番順の競りを行なった上で、8人のうち空いているキャラクターを選んで抑えては、その特殊な能力を使って譜面を作り上げたり、特殊なタイルを手に入れたりします。
また、キャラクターを選ぶのは、都市内に置かれている〈手掛かりチップ〉を獲得するためでもあります。手掛かりチップを消費することで、さまざまな探索行動をより効率的に行なうことができるため、都市の地図上でチップを獲得できそうな位置のキャラクターを選ぶことも重要でしょう。
3つの歯車が連動するアクションギアを1〜3段階回すことで、歩行時に蒸気ベースの交通機関を利用できるようになったり、特定の探索活動を行なうことができます。
例えば、“選ばれし者”を特定するには「取り調べ」アクションを行なわなければなりません。ゲーム開始時にキャラクターカード8枚のうち1枚だけ伏せられていて、これが“選ばれし者”です。残りの、各自に1枚ずつ配られたキャラクターカードを調べていくことで、この伏せられたカードを絞り込んでいきます。
さらに、手札のパワーカードを使うことで強力な効果を得ることができたり、探索活動でタイルを引くことにより、交通機関の利用やオルガンの場所を絞り込むための情報、楽譜、タイムポイントの復活などのアイテムを入手することができます。
“謎めく不滅のオルガン”の場所は、タイルの配置によって「東西南北にどの建築物があるか」で絞り込まれていきます。例えば「テンピオ」タイルが「東」に置かれれば、「オルガンはテンピオの西側にある」といった具合です。矛盾なく東西南北すべての建築物が示されれば、地図上にオルガンが置かれ、“15枚の譜面”を持った人が“選ばれし者”をそこに導くのを待つばかりとなります。
このように全11ラウンド(11時間)をこなしていきますが、5時間目に差し掛かると、参加者のうち誰か1人がランダムで“フェンリル”に取り憑かれます。このフェンリルに取り憑かれた人だけは、“選ばれし者”を特定した上で葬ることが目的に切り替わります。しかし、いったい誰が取り憑かれたのか、本人以外は判らないのです。
こうしてゲームを続けていき、12時に達してラグナロクが始まってしまうまでに条件を集めて“選ばれし者”をオルガンの場所に連れていくか、フェンリル役が“選ばれし者”を葬るかすると、その人の勝ちとしてゲーム終了です。
世界的に人気のあるスウェーデンのゴシック・シンフォニックメタルバンド『セリオン / Therion』のメンバーと楽曲の世界観をフィーチャーし、映像面でもかなり凝った演出が施されています。
その豪華な演出に合わせて、オリジナルのルールブック装丁そのままの日本語説明書を用意しました。
元の説明書も図解や注意点などが充実しており、とても解りやすくできているのですが、それを継承しつつ、イタリアの発行元や作者さんと連絡を取り合って、元の説明書では解らなかった疑問点なども補足しています。
ここがオススメ:
レトロフューチャー風の世界観にどっぷりと浸りながら、タイムポイント枯渇による脱落や世界終焉を気にしつつ、さまざまな要素を鑑みて計画を立てていくのが楽しい、大人のじっくり型としてお勧めのゲームです。
発行元であるイタリアのScribabs社から直接の依頼をいただき、輸入・販売を行なうことになりました。
店内でサンプルをご覧いただけます。
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