ゲーム紹介:ファブラ / Fabula
登場人物となり物語を鮮かに彩る
ファブラ / Fabula
メーカー: Libellud (リベリュー, フランス), 発売年: 2010年
作者: Régis Bonnessée (レジス・バネセー, 代表作:『ヒマラヤ』) & Jean-Louis Roubira (ジャン=ルイ・ルビラ, 代表作『ディクシット』)
8才~大人, 3~8人用, 所要30分, ルール難度:★☆(1.5)

『ファブラ』は、作者役が、さまざまなおとぎ話の中から選んだ物語を皆に読みながら、起承転結の合間合間に登場人物が考えた「どうやって」という手段を採用し、物語をより鮮かに彩ることで、世界にひとつだけの物語を紡いでいくゲームです。

1人が物語の作者の役、その他の人達が登場人物の役です。
登場人物たちは各自、自分が演じるキャラクターを1人ずつ選びましょう。妖精や王女、魔女、いたずら小人、エルフなど、性格の異なる12種類のキャラクターたちがいます。

とても不思議な、クオリティの高い20話ものおとぎ話が用意されています。

作者役は、そのどれかを選んで、紙芝居のような大きなイラストボードを見せながら、冒頭部分を皆に読み聞かせます。例えば、「昔々、山あいの小さな街の住人達は、巨大な恐ろしいゆきだるまの群れに耐えず脅かされていました…」という具合です。

どの物語も、起承転結ごとに「何が起こったか」は記されているのですが、「どのようにして?」という手段が記されていません。
この「どのようにして?」を皆の提案で作り上げていきます。
各自、提案を思い付いた人から1人ずつ、場のアイテムカードをひとつだけ使って提案を行ないます。
例えば、王子役の人がこう提案します。「この敵対的な女王も、ある種の贈り物には目がないはずだ。私のこの指輪を(といって指輪のカードを手元に置く)、彼女に渡そう。これは先祖から受け継いだもの。必ず話を聞いてくれるだろう。」という風に。
作者役は、こうした提案を聞いてその都度評価します。評価の基準となるのは、「提案がお話に沿っている」「アイテムが提案内容に適している」「発言したキャラクターが提案内容に適している」の3つです。例えば、オオカミが火を吹いたり、泥棒が魔法を使ったりする提案は、あまり良い評価が得られないでしょう。
こうして物語を彩りながら続けていき、最終章で残った2人の提案の評価で、物語の主人公がどちらになるのかが決まり、世界でひとつだけの物語が完成します。
ここがオススメ: 物語としての楽しさや意外性を、物語の登場人物になりきって、こじつけではなく綺麗にまとめていく感覚が新しい、家族やお友達同士にお薦めのゲームです。 同じ作者の名作『ディクシット』にも通じる、感受性の豊かさが発揮されます。
人によっても、さまざまなキャラクターによっても、アイテムによっても提案の内容は大きく変わりますので、20話を読み終えたら終わり、というようなことはありません。むしろ、同じ話をいろんな人やキャラクターで試してみたくなることでしょう。
ルール補足ガイド付き 説明書には原文から解りづらい記述があるため、すごろくや製のルール補足ガイドをお付けしています。
店内でサンプルをご覧いただけます。
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【2013.8.22追記】メーカー絶版とのことで取り扱いリストから外します。
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