ゲーム紹介:ワーリング・ウィッチクラフト / Whirling Witchcraft

右隣に変換した素材を押し付ける
ワーリング・ウィッチクラフト
/ Whirling Witchcraft
メーカー: AEG (アメリカ), 発行年: 2021年
国内版発売元: ケンビル, 国内版発行年: 2022年
作者: Erik Andersson Sundén
14歳〜, 2〜5人用, 所要 30分, ルール難度: ★★ (3)

『ワーリング・ウィッチクラフト』は、「所持している赤のキノコ1個を緑のカエル2個に変換する」のような調合を経て、できあがった素材を右隣のライバルに押し付けることでライバルの作業場を溢れさせるべく、使用する調合書を選抜していくゲームです。
全員右隣の作業場を溢れさせようと目論んでいる中で、どの調合書を選べば効率的に溜まってしまった素材を処理できるのか、ライバルに渡したくない調合書はどれなのかを見極めるのが、悩ましくも面白いゲームです。また、一定の条件を満たすと使用できる特別な効能や個性豊かな個人能力の使い所もポイントで、何度も繰り返し遊べる面白さも兼ね備えています。
30分くらいでじっくり楽しめる大人向けとしておすすめです。
ゲーム紹介:シリアリアン / Serealian

互いの獲得札を使い回す数札勝負
シリアリアン
/ Serealian
メーカー: 符亀 (日本), 発行年: 2023年
作者: 符亀
7歳〜, 3〜4人用, 所要 15分, ルール難度: ★★☆ (4)

『シリアリアン』は、お互いの確保した札を使い回すことを念頭に、色縛りで1枚ずつカードを選んで提出する数値比べの小勝負を繰り返し、その結果によって得点源となるカードを確保していくゲームです。
お互いが手元に獲得したカードをジロジロ睨みながら、ライバルの得点を阻止するために渡してはいけないカードはどれか、自分が獲得すべきカードはどれかと戦略をたてつつ、全員のカード提出結果の順位をコントロールする悩ましさが面白いゲームです。
数値比べの小勝負を繰り返すカードゲームのジャンルであるトリックテイキングゲームと呼ばれる本作ですが、その中でもかなり複雑なルールでどうすればうまくいくのかを考えるのが難しいゲームになっています。
トリックテイキングゲームが好きな人、攻略が難しいゲームに挑戦してみたい人におすすめな大人向けのゲームです。
ゲーム紹介:にげろ!とんかつザウルス

チームで協力して狭まる足場確保
にげろ!とんかつザウルス
発行年: 2023年
作者: 森 晋太郎
8歳〜, 4・6人用, 所要 10分, ルール難度: ★☆ (2)

『にげろ!とんかつザウルス』は、2チームにわかれて、自チームの恐竜カードをピラミッド状に並んだカードのより高い位置に送り込むべく、各自が手札のうんちカードを絵柄を継承しつつ積み上げるように出して足場を作っていく、チーム対抗戦のゲームです。

2チームのメンバーが互い違いに座り、時計回りの順で、ピラミッド状に上へ上へと積み上げるようにカードを出していきます。
1段目にはどのカードでも置けますが、2段目3段目と積み上げる際には、足場となる2枚のどちらかの絵柄を継承していなければなりません。こうして積み上げたうんちの足場の上に、各自が持っている、その足場のうんちの主である恐竜を積み上げることで、段数に応じた得点を獲得していくのです。
ピラミッドのできるだけ高い段に恐竜を送り込むべく、なるべく後半に恐竜を出したいところですが、常に足場の「潰し合い」が発生するため、タイミングを逃すと恐竜どころか何も出せない、という状況にもなりかねません。
そこで、ゲーム中に各自1〜2回だけ発動できる特別な効果〈地殻変動〉の使いどころがポイントになるでしょう。地殻変動を使うと、既に配置済みのカードを取って、配置ルールに従ってさえいれば好きなスペースに移動できるため、行き詰まりを打開する「起死回生」の一手となるかもしれません。
ゆかいな恐竜たちの見た目とは裏腹に、一手一手の選択に重みがあり、なおかつメンバー同士の臨機応変な対応も求められる、どちらかといえばシビアなゲームです。その分、連携がうまく決まって相手チームを抑え込めた時の達成感は一際大きいものがあります。
中学生くらいから大人向けとしておすすめです。
ゲーム紹介:ピラミッド・ダイス / Pyramid Dice

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ピラミッド・ダイス
/ Pyramid Dice
メーカー: Decoct Design (デコクトデザイン, 日本), 発行年: 2023年
作者: 出嶋 勉 (代表作: 『白と黒でトリテ』)
10歳〜, 1〜5人用, 所要 20〜40分, ルール難度: ★☆ (2)

『ピラミッド・ダイス』は、サイコロ3つ振って出た出目を、足す・引く・掛ける・割るで組み合わせて、1つの数値を導き、ピラミッド状に並んだお宝カードを集めていくゲームです。

一人ずつ変わりばんこにサイコロ3つを転がしては、ピラミッドの他のカードが1枚も乗っていない獲得できるカード候補から、サイコロの出目を+、ー、÷、×で組み合わせて導いた数値と同値のカードを1枚確保していきます。
同じサイコロの結果でも計算方法や計算の順番によっていろいろな数値が導けるパズルのような考えがいと、獲得できるカード候補がいくつかある中で、ライバルに取られたくないカードを確保する術はないか?という駆け引きが楽しいゲームです。
四則演算ができるようになった小学校高学年くらいの子供たちから大人向けとしておすすめのゲームです。
ゲーム紹介:コンコード / Concord
状況読み取り相談禁止で試練達成
コンコード
/ Concord
メーカー: OKAZU brand (オカズブランド, 日本), 発行年: 2023年
作者: 林 尚志
8歳〜, 2〜5人用, 所要 30分, ルール難度: ★☆ (2)

『コンコード』は、互いに一切相談できない状況で、お互いの持っているカードの内訳を予想しながら、「同値のカードを5枚出す」「全員の出したカードの合計値が20以上」といったミッションを達成することを目指す協力ゲームです。

毎回挑戦するミッションは、全員相談なしで「今回達成できると思う」ミッションを場の候補から1つ選んで「せーの」で指した結果を踏まえて、その時の「リーダー」役が選択します。
この「今回達成できると思う」という各自の宣言がお互いの手札状況を推し量る貴重な情報源です。「このミッションが達成できると思うということはきっと大きな値のカードをもっているに違いない」「私とこの人の手札状況は似ていそうだな」と、お互いの手札内容を予想し合う悩ましさが楽しめます。
また、ゲーム進行中に獲得できるコインを消費して獲得できる「全員1回全ての手札を公開」「1人が1回出し直し」といった強力な特殊効能もポイントの一つで、状況によっては達成が難しい高難易度のミッションでも、この効能をうまく活用することで突破の糸口が見つかることでしょう。
無言の連携が功を奏し、不可能と思われたミッションを達成できた時の一体感が魅力の、じっくり遊べる大人向けとしておすすめのゲームです。